作業療法士国家試験の合格率は?おすすめの問題集と勉強法もご紹介

 国家試験は作業療法士になるための大きな関門です。この記事では、合格率や2025年の試験日程を詳しく解説するとともに、おすすめの過去問や効率的な勉強法をご紹介します。特に、これから勉強を始める学生や再受験者に向けて、実践的なアドバイスをお届けします。  

作業療法士国家試験の概要

作業療法士(OT)の国家試験の概要について説明します。

2025年度作業療法士(OT)国家試験の日程・場所

例年、作業療法士国試は2月末に実施され、共通問題と専門問題の2部構成となっています。

現在、厚生労働省から発表されている2025年の国試日程は以下の通りです。

・筆記試験:令和7年2月24日(月曜日)

北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県

・口述および実技試験:令和7年2月25日(月曜日)

東京都

(出典:作業療法士国家試験の施行|厚生労働省)

口述および実技試験は、重度視力障害を持つ方に対して実施されます。

また、筆記試験は各地方ごとに試験会場が設定されています。受験者の中には地元ではない学生の方も多いと思います。前日は近場のホテルをとり、事前に試験解除の場所を調べて把握しておきましょう.

作業療法士(OT)国家試験の出題内容

筆記試験の問題の内容は次の通りです。

◎一般問題
解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法

◎実地問題
運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法

(出典:第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法 国家試験の合格発表について|厚生労働省)

共通問題・専門問題ともに100問ずつ出題されます。そのうち専門問題の40問が実施問題となっています。昨年度は、午前中にOT専門問題、午後に共通問題の試験が実施されました。

また、2024年の国試の配点は、一般問題が1問1点、実地問題が1問3点とされ、総得点277点満点となっています。そして、合格ラインは総得点167点以上かつ実地41点以上でした。

単純計算すると、一般問題160点、実地120点で280点満点になるのですが、例年2〜3問が問題として不適切とされ、採点から除外されるので満点が変動します。

つまり、合格するには総得点が7割以上、実地も4割程度が確実に必要です。

作業療法士(OT)国試の合格率と出題傾向

過去5年間の合格点を比較してみると、総得点7割は合格ラインと言えるでしょう。

出典元:第55回,第56回,第57回,第58回,第59回国家試験合格発表|厚生労働省

過去5年間の合格率をみてみると、全体の合格率は80%以上で推移しています。また、合格者のうち新卒者が合格した割合を見ると90%近くで推移しており、既卒者に比べ新卒者の方が合格しやすいということがわかります。

出典元:第55回,第56回,第57回,第58回,第59回 理学療法士国家試験及び作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省

合格に最短で近づくには、過去問の傾向を知ることが大事です。そこで、OTの国試過去問10年間を調査してみました。この傾向から読み取ると中でも高頻出の分野は、以下の通りです。

共通問題:解剖学・生理学

専門問題:精神分野

また、特に問題に取り上げられやすい疾患は、「脳卒中」「認知症」「統合失調症」「うつ病」です。

作業療法士が教えるおすすめの過去問

過去問の傾向がわかったところで、おすすめの参考書を紹介します。実際、私も現役生時代使っていた参考書ですので、参考にしてみてください。

・クエスチョン・バンク 理学療法士・作業療法士国家試験問題解説

・クエスチョン・バンク 作業療法士国家試験問題解説

この参考書は過去問に加え、図解も豊富で解説もわかりやすいのが魅力です。ちなみに先輩や周囲の同級生たちも、この参考書を使っていました。こちらの参考書を3周するのを目安に勉強してみると良いです。

また、クエスチョン・バンクのおすすめの使い方は、一度とりあえず解いてみることです。全体を解いて自分の弱点や問題の傾向を把握した方が効率よく勉強できます。

試験合格に最短で近づくおすすめの勉強法

さて、もう年も明け勉強も佳境に入っていると思います。ここからラストスパートをかけるために、おすすめの勉強方法についてご紹介します。

反復学習

人は新しい知識を短期間で忘れてしまうため、繰り返し学習が欠かせません。エビングハウスの忘却曲線理論では、記憶を定着させるには一定の間隔で復習することが効果的とされています。おすすめは、1週間のサイクルで「復習→新しい範囲→再復習」を繰り返す方法です。この方法により、短期記憶が長期記憶へと定着します。特に、AnkiやQuizletといったフラッシュカードアプリを活用することで、手軽に効率的な復習が可能です。

アウトプット

学んだ内容を定着させるには、アウトプットが不可欠です。模擬試験を定期的に受け、理解度を客観的に測ることが第一歩です。また、友人やグループ内で学んだ内容を説明したり、ディスカッションに参加することで、自分の理解の浅い部分が明確になります。アウトプットは、単なる知識を「使える知識」へ変えるプロセスであり、実践力を磨く最も効果的な方法です。

これらを組み合わせることで、効率的かつ実践的な学習を実現しましょう。

まとめ

 国家試験合格には、戦略的な勉強計画と反復練習が欠かせません。この記事で紹介した過去問や勉強法を活用し、目標達成に向けて一歩一歩進んでいきましょう。試験日までのスケジュール管理もしっかり行い、最後まであきらめずに挑戦してください!

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